彼と彼女のアジアート– category –
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彼と彼女のアジアート
それもまた、愛なのだ
「あなたー。お茶入れましたよ」「ん」「ここ、置いておきますからね。まだ熱いですからね」「ん」「今日のお茶請けは……雄大くんおすすめのクッキーにしましたよ」「緑茶に合わん」「そんなこと言って。あなたが買ってきてくれたのと同じところのお店です... -
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ミッドナイト・スターダイバー
ピンクブラウンの髪をしっかりセットしていた巣鴨は、崩れちゃうかな、と言いながらフルフェイスヘルメットをかぶる。かぶらないなら連れて行かないが、と話す晶は、すでにヘルメットを着用しており、モスグリーンの長袖のジャケットに袖を通していた。... -
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僕と君と時々噛み合わない話
仕事帰り、巣鴨は駅ビルの本屋にいた。仕事で必要になりそうな本を見に来た……と言うわけではなく、単純にハマっている漫画の最新刊を買いに来たのだ。 早々に目当ての漫画を買った彼は、どうせ駅ビルに来たのだから、とウィンドウショッピングに勤しむ... -
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【R18】子犬は彼女のオモチャとなりうるか
「ストップ! ストップ! 晶ちゃん、待って! 待とう!」「試したいんだろう?」「いやいやいや、いやいやいや! 試したいとは思ったし、だから買ったんだけどね!? 今すぐとはね、言ってないんだよ!?」「そうか。だが、気になるのならすぐに試し... -
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二人でやったら、面白いよ
「お好み焼き作れる?」「作れるが……どうした」「いや、食べたいなーって」「そうか。なら、夕飯はお好み焼きにするか」「やった!」 粉物って時々無性に食べたくなるから不思議だよねえ。そう言いながら巣鴨は横になったまま腕を伸ばす。天井に向かって... -
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シナモンとローアンバー。時々ゴールドを添えて
巣鴨雄大はスマートフォンの画面とにらめっこをしていた。ブラウザーの検索履歴も閲覧履歴もバレンタインで埋まるほどには、ここ最近の彼はそれを検索していた。というのも、目と鼻の先に迫っているチョコレートの祭典のためだった。 女性だてらに男よ... -
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分け合う熱量
うつらうつら、としていた巣鴨は、テレビのスピーカーから聞こえる音で、はっ、と目が覚める。 晶と二人で折半して購入したこたつに埋もれていた巣鴨は、起きあがろうとして、テーブルに腹を打つ。こたつ布団に衝撃は吸収されて対したダメージにはなら... -
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ポーカーフェイスの夕刻
title by Cock Ro:bin(http://almekid.web.fc2.com/) ツイッターをはじめとしたソーシャル・ネットワーキング・サービスを時折見る巣鴨雄大は、勢いで買い物をすることがままある。大抵はささやかな物を買う程度であるから、ちょっとした失敗談として... -
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オータム・コレクター
本庄晶は後ろから巣鴨雄大の手元を覗き込んでいた。熱心に水彩画向けの用紙に色鉛筆を走らせている彼は、後ろから覗き込まれていることを知っているだろうが、微塵も振り返る気配を見せない。 カリカリと線を引いては鉛筆を寝かして塗っていく。なんで... -
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サンセット・ユートピア
title by Cock Ro:bin(http://almekid.web.fc2.com/) 「ただいまぁ」 程よい冷房が効いた自宅に帰った巣鴨は、疲れたよぉ、と情けない鳴き声をあげながら玄関のドアを施錠する。 へにょへにょとした疲れ切った顔をした彼は、トートバッグを抱えて...