こわいくらいすき。– category –
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ありふれた光景とありふれていない人の話
正午。だいたいのホワイトカラー企業であれば、昼休憩に入る時間。それはもちろん、大手優良企業でもある桐嶺防衛株式会社でもそうだった。さまざまな部署の人々が大きくのびをして、昼休憩を告げるチャイムに合わせて行動をする。無論、さまざまな理由... -
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「今更突き崩せっていうほうが無理なんだって。共存をはかったほうがよほどマシ」
警察にも種類がある。それはどの職場にもあるだろう、どの派閥に所属しているかの種類だ。とりわけ、この派閥はわかりやすく官僚の派閥とは違って、俺たちの場合はヤクザ組織に与しているかどうかだ。警察がそんなことをしていいのか、って言う声もある... -
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『行方不明の』から始まり、【携帯】の出てくる話
『行方不明の』から始まり、【携帯】の出てくる話(予備:扉・犬) #お題ガチャ #書出ワード https://odaibako.net/gacha/171▼▼▼ 行方不明のニュースが流れた。全国区のニュースで流れたそれは、夫婦の行方不明事件だった。近隣の住民たち曰く、優しくトラ... -
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こんばんは、死んでください。
その日、男は娘の誕生日だった。だから、いつもよりも足早に駅から出てきた。仕事もつつがなく終わり、駅前のケーキ屋で予約していた誕生日ケーキも受け取ったところだ。白い箱の中に鎮座するケーキを揺らさないように気をつけながら、帰路を急ぐ男の顔... -
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【R18】予定変更して、この後は二回戦目に入ります。
朝起きてすぐと、朝食を食べたあと歯を磨く。この習慣が弥世についたのは、わりと最近のことだった。 親から躾の類はおろか、愛情表現をろくに受けてこなかった彼女は、最低限の身だしなみを整えることしか知らなかった。汗をかいたから風呂に入る。口... -
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しあわせ〜って言ってる横で死んでる人がいる
鈍い音を立てて雑居ビルの三階から落ちた男は、頭からゴミが満載しているポリバケツの中にあった。彼の首にはぎざぎざの切り傷がある。そこからだくだくと溢れる生命の色は、ポリバケツを静かに満たしていく。 その男の首をひっかき、落とした女はぴく... -
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帰りにスタバに寄る話
弥世(みよ)は暇を持て余していた。 肩に届くかどうかの長さのツインテールにしているサイドの髪は黒いが、それ以外の髪は綺麗に白色に脱色されている。オーバーサイズのパーカーにショートパンツ、細い足は黒いストッキングに覆われて、足元はゴツめ...
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